■ 抄録・要旨
| オゾン層破壊と地球温暖化に寄与するフロン類の都市域における環境濃度とその推移を把握するために、各種フロン類の大気モニタリング調査を1990年から継続している。県内4地点で測定した結果、1995年末の全廃時期の前後で、1,1,1-トリクロロエタンとCFC113は急激に、CFC11は緩やかに濃度が低下した。この傾向は山間部より都市部で顕著であった。現在では、特定フロン類の濃度はほぼ横ばいとなっており、埼玉県内における大気への排出は非常に少ないと考えられる。一方、代替フロンでは、HFC134aとHCFC22の濃度が山間部でも上昇しているなどのほか、各測定値に大きな濃度変動が認められた。特定フロンからの代替使用により、大気への排出と蓄積が大きいと考えられる。
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